がん免疫療法は、現在有効な治療法がない患者さんにも効果のある治療法になることを期待して、世界中で研究されています。しかし、まだほとんどのがんワクチン療法や細胞治療は、その効果を完全に確認するには至っていません。効果を完全に確認するには、今後、段階を追って多くの患者さんに投与臨床試験という研究が必要です。
免疫反応を利用した治療法には、キラーTリンパ球ががん細胞だけを見分けて攻撃する”免疫の特異性”と、がん細胞に対する作用が持続する”免疫の記憶力”という特徴があります。
これまでの臨床研究の結果では、がんが著しく小さくなったという報告は少ないのですが、がんの増大を抑えること、または再発までの期間が長くなることなどの効果があるという考え方もあります。
したがって、現時点では、比較的がんの進行がゆっくりとした経過で、全身状態が保たれた患者さんに適する治療法と考えられています。
がんワクチン療法では、目標とする効果を得るために、がんワクチンを複数回投与する必要があると言われています。また、がんワクチン療法では、体内の免疫反応が上昇するまでに、投与後2〜3ヶ月程度かかると言われています。
一方、自己リンパ球輸注療法では、投与回数は治療法により様々であり、単回の投与で終わるものもあれば、複数回の投与が必要なものもあります。